特別清算について

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特別清算について

特別清算とは、解散して清算過程にある株式会社に債務超過の疑いがある場合などに、適正な清算を行うため、裁判所の監督下で行われる清算手続です。
中小企業の事業再生において私的整理という場合には、私的整理後の会社の処理にこの手続がしばしば用いられています。

特別清算の手続

裁判所へ特別清算の申立がなされると、裁判所は特別清算開始原因があると認められれば、手続開始の決定を行います。
※特別清算開始原因:(1) 清算の遂行に著しい支障をきたすべき事情があること、(2) 債務超過の疑いがあること(会社法510条)

開始決定の後、株主総会で選任された清算人は、財産目録や貸借対照表の作成など財産状況の調査を行い、一方で、債権届出手続(公告・催告とそれに対する債権者の届出)により確定した債権者に対する弁済の方針を定めた協定案、または個別の和解案を作成します。

協定による場合は、協定案を裁判所に提出し、債権者集会において承認され裁判所がこれを認可すれば、その協定の認可決定が確定し法的効力を生じます。
※協定案の決議:債権者集会に出席した議決権者の過半数かつ議決権総額の3分の2以上の多数で承認されます。

特別清算の特徴

1. 簡易・迅速な手続であること
特別清算は、破産と比べて手続が厳格ではなく、簡易・迅速に清算手続を進めることができます。

2. 債務者企業が一定の主導権をもつこと
破産の場合は、財産の管理処分権限が破産管財人に移り債務者企業の経営者が関与する余地はほとんどありませんが、特別清算の場合は、株主総会で選任された清算人が財産の管理処分を行うことができるため、債務者企業の株主や経営者が一定の主導権を持って清算を進める手続といえます。

3. 否認権制度がないこと
破産の場合と異なり、特別清算には否認権制度はありません。したがって、特別清算に先立って私的整理を行ったのちに特別清算手続に移行しても、私的整理の結果が否認権行使の対象とされることがないため、特別清算は私的整理と組み合わされて利用されます。

4. 倒産のイメージが薄いこと
特別清算は、破産同様清算型の手続であるにもかかわらず、特別清算は会社を整理したイメージで受け止められ、「倒産」というイメージが少ないと言われています。したがって、上記2.3.の特徴と相まって、私的整理をしたのちに特別清算手続に移行する手続きは中小企業の私的整理手続の王道となっています。

5. 債権者が関与する余地があること
破産の場合は、財産の管理処分権限が破産管財人に移り債務者企業の債権者が関与する余地はほとんどありませんが、特別清算の場合は、協定案に対して債権者の総債権額の3分の2以上の同意等が必要であり、債権者が関与する余地があるといえます。
その結果、債権者の数が少なく、大口債権者の理解と協力が得られる場合、特別清算に適しているケースといえます。